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【アクテムラとわが研究人生 vol.40 それから】

2025.06.02

それから

 

最終号から8年近くが経った。

 

今年2025年は、アクテムラ発売20周年、弊社設立10周年、中外製薬創設100周年の年となります。

 

アクテムラがキャッスルマン病(2005年)を皮切りに、関節リウマチ(2008年、2009年, 欧州、2010年米国)、全身型若年性特発性関節炎(同上)、 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(同上)、 高安動脈炎・巨細胞性動脈炎(2017年) 抗腫瘍剤治療に伴うサイトカイン放出症候群(2023年、同上米国)、 成人スチル病(2019年)、 SARS-CoV-2による肺炎(2023年、2021年欧州、2022年米国)へと適応疾患が拡大しております。図のように世界売上高は2018年以降3000億円(1スイスフラン=150円として計算)を超えています(2023年度は3900億円)。これは中外製薬の総売り上げの35%程度を占めております*1 。中外製薬は100周年を記念し、「中外製薬―革新のDNA」と題した記念誌(上阪徹 著、非売品)を発刊しました。そこには、その原動力となった“革新のDNA”が、アクテムラで花開き、そして更に次の画期的新薬ヘムライブラに遺伝し、その結果、ここ20年間の中外製薬の大発展をもたらした経緯について興味深く綴られています。

 

Vol.39(エピローグ)で、私は以下のように記しました。

 

「自己免疫疾患の画期的新薬の誕生にたどり着くまでの歴史・過程を紹介した。2017年8月10日に73歳の誕生日を迎えるが、今後もイノベーション創出に向け挑戦する若手研究者を支援する立場で活動できることを願って止まない。」

 

そして、その2年後の2019年には、アカデミア発の創薬ベンチャーであるONSSI(オンシー)株式会社の代表取締役を仰せつかることになった。有効な治療薬のない膵がんを治療の対象とする抗体薬物複合物で、大変魅力的な作用機序で効果を発揮する創薬シーズだと惚れ込みました。これまでに培った経験を生かして微力でも会社の成功に尽力したく思ってお引き受けしました。この年に流行したコロナ感染症が会社の活動を障害いたしました。投資家との面談もウエブ会議でした。

 

それはともかく、創薬ベンチャーを取り巻く環境は極めて悪いことを身に染みて実感しました。投資会社は、口を揃えて、「上場予定は何年後ですか? 投資したお金は何年後に回収できますか?5年後に回収したいのですが、」と質問されます。創薬の成功確率は3万分のⅠなので、殆どが成功しないことをご存じではないようです。今のところ、投資して下さる会社がありませんが、AMEDの助成金などで製造やサル安全性試験などを実施しております。夢の実現に向かって挑戦する皆様が現れますことを祈りながら、現在も相談役として尽力しております。

 

 

 

 

 

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