【アクテムラとわが研究人生 vol.0】
2024.08.27
弊社は本年6月に設立10年目を迎えました。10周年を記念して、大杉会長が2016年9月12日から2017年6月19日まで、日経BPに寄稿した記事を原文のまま全39回にわたってお届けしたいと思います。なお、掲載に先立って、日経BP社からは掲載の了承を得ております。どうぞお楽しみに。
予告
日本で創製された初めての抗体医薬「アクテムラ」の発明者である大杉が自らの研究人生を振り返る。新薬の成功率は、3万分の1ともいわれる難業である。科学的に極限まで考え抜いた末に到達した自説には強固な信念が宿る。その信念を粘り強く持ち続け、逆風に立ち向かっていく強靭な精神力が求められる。米国留学から数えて30年を費やし、この間幾つもの死の谷を越え、成功を勝ち取った経験を語ることで、若手研究者の皆さまに、イノベーション創出に挑戦する勇気を与えることができれば本望である。
大杉義征 薬学博士
大杉バイオファーマ・コンサルティング株式会社 取締役会長
1944年大阪府和泉市生まれ。69年大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了と同時に中外製薬に入社。78年から81年 米California大学Davis校医学部へ留学。92年 創薬第一研究所長、97年 中外分子医学研究所代表取締役社長、2001年 グローバルプロジェクトリーダー(アクテムラ)、04年 定年退職後プロフェッショナル契約社員として勤務を継続、2010年 退社。2011年から2015年 一橋大学イノベーション研究センター特任教授。東京医科歯科大学大学院、秋田大学大学院、日本薬科大学、北里大学などで非常勤講師。2010年以降現在まで AMED-Astep評価委員、専門アドバイザー、AMED-CREST「慢性炎症」領域アドバイザーなど歴任。